私、高橋直裕(ETCShogi81)が
2014/11/1~3に行われた第2回将棋電王トーナメントに参加してきた時の自戦記(体験記)になります。
●先に結論
ちょっとでも興味を持った専門学校生、大学生は是非チャレンジして欲しい。
時間は必要だし苦労することも多いけど見返りは何倍もあります。
番組でもお話しましたが、ぜひ新規の方にも将棋ソフトを作ってご参加いただきたいです。今回も最短では2ヶ月の開発期間で参加された方もいらっしゃいました。そういう方が増えてこそ、この電王トーナメントの価値は上がると思います。
— 遠山雄亮 (@funnytoyama) 2014, 11月 1
●エントリー~PR文書作成までは特記する事もないので割愛。
●大会前(10/20)
この日にテストサーバが出来上がったとドワンゴさんから連絡がありました。
テストサーバには私が確認しただけで2つのソフト(ソフトの選択は不可能)と
予選と同じ条件(15-10)でテストが可能になっていて何局かテストができました。
●0日目(10/31)
この日は8時~22時まで本番のPCを使っての準備が可能。
(つまり運営さんはこれより早く来て、これより遅く帰る事になる。)
また運営さんにお願いすると他の参加者とのテスト対局ができました。
私が会場についた時点で巨勢さん、平岡さん、鶴岡先生が会場に来ていて、
平岡さんはセットアップに苦戦しつつも時々声をかけてくれました。
Ubuntu14.04 将棋所駄目。
Ubuntu12.04 有線ネットワーク駄目。
Windows 8.1 今環境作り中。
環境構築時間掛かり過ぎだろ。。。
— 平岡 拓也 (@HiraokaTakuya) 2014, 10月 31
あ、そうそう。この日は会場の設営しつつのセットアップなので、
会場で何か開発しようと言うのは止めた方が良いです。
スモーク炊いたり、照明のテストや音響のテストをしているので、
正直な所、集中するのは難しいと思います。
なので、本番用PC(持って帰りたいぐらいいいPC)でしかできない
環境の違いによるテストだけ行う方が無難です。
将棋 電王戦 FINAL x GALLERIA|ドスパラ公式通販サイト
しかしこれだけ色々テストしても本番では上手く行かないシーンがあり、
運営さんは大変だなと実感。
●1日目(11/1)
10時集合だったけど、2人足りないw
どうも電車の遅延に巻き込まれたようで遅刻するとのこと。
特にくじらちゃんは昨日来ていなかったようで、
11時の対局開始までに準備できるかドキドキしていました。
あ、そうそう私の座席は真ん中の後部で、
前にくじらちゃん、左に彌生道さん、右に攻茶花電さん、後ろがうさぴょん改さんでした。
10時30分前にはくじらちゃんも会場に来て無事に全員のテスト対局が完了。
11時前にはサーバにログインして最初の対局を待つことになりました。
●1局目:GA将!!!!!!!!さん戦
GA将!!!!!!!!さんは棋譜を見て頂くとわかるのですが、
初手から1手15秒考えて指す設定になっていて1手の読みの深さは12前後、
こちらは深さベースに手を指すようにしていましたが、深さは6前後、
正直な所これでは勝負にならない感じでこちらの時間が切れた時にこんな感じ。
ここから先は秒読みで更に差がついておしまい。
0勝1敗
●2局目:芝浦将棋Jr.さん戦
お揃いのTシャツがカッコいいなあと言うのが第一印象。
五十嵐先生には色々教えて頂きました。
私も面白いTシャツを着て行ったのですが、
ちょっとネタに走り過ぎたみたいで…。
対局はどちらもボナンザの評価関数ベースで
深さが6対9で辛く、しかもこちらの方が先に時間が切れてしまっては…。
これは私が来ていたTシャツですw
0勝2敗(最下位)
●3局目:不戦勝
この時点で最下位だから仕方ないのだけど、
個人的には選手権のように1ソフト足した方が面白いじゃないかなと思う。
特に前年度5位のソフトとかボナ6とかソフトの進化が分かる形だとなお良しかと。
ちなみに2局目終了後に昼食休憩があったのでちょっと暇でしたねw
どんな形でも勝ちは勝ち。1勝2敗
●4局目:カツ丼将棋さん戦
カツ丼将棋さんはインターフェースを含め、
多分0からのフルスクラッチで参加しています。
正直、これって凄く大変な話で
例えば自分が1からインターフェースを作ったら
それだけでかなりの期間を持って行かれてしまいます。
(特に働いていると1回の作業時間は3時間ぐらいですし)
さて対局は序盤でド必敗になるもカツ丼さんも攻めあぐねると言う
なんか昔のコンピュータ将棋にあったような展開。
しかしこちらの動かせる駒が少なくなった所で
カツ丼さんが詰みを読み切っての勝利
この時点で1勝3敗とかなり苦しい展開に…。
●5局目:きふわらべさん戦
大会直前のfloodgateで銀が真後ろに下がるなど
大会までに間に合うの?と思われていたきふわらべさんですが
本番ではイリーガルムーブでの負けはなかった模様(投了忘れはあったけど)。
お話を伺っていると私よりずっとスキルはありそうで来年の逆襲が今から楽しみです。
これで2勝3敗
●6局目:攻茶花電さん戦
先に書きましたが攻茶花電さんは席が隣でした。
残念ながらソフトが上手く動かず2勝に終わりましたが、
お昼休みも殆ど休まずに復旧作業をされていました。
鬼気迫るオーラを感じました。来年が怖いなぁ~…。
画面には写りませんでしたが勝った後ガッツポーズしちゃいました。
今回の大会に出る際の最初の目標は3勝でした。
それが達成できたのでつい…。隣に攻茶花電さんがいるのにね。
3勝3敗と五分に戻す。
●インタビュー
6局目の開始に合わせてインタビューをするとお知らせがあり、
打ち合わせもなくインタビュールームに入ってすぐインタビュー開始w
ニコ生らしいと言えばらしいのだけどかなり焦りました。
●7局目:メカ女子将棋さん戦
前日のテスト対局では負けていたので、
当日になって色々とパラメータを変更していたのですが、
後手なのに1手損をすると言う残念な序盤。
しかし中盤でメカジョさんがミスをしてそこからは圧倒する形に。
(ここで▲6四銀と指してしまう)
最後はgdgdになりつつもキッチリ詰ませて勝利
これで3連勝。そして4勝3敗と今大会の指し分け以上が確定。
●8局目(最終局):激指さん戦
7回戦を終わった時点の順位はこちら。
おかしなことにうちが激指の上にいると言う異常事態。
勝てば2日目が確定するが負ければかなり順位が変わると言う大一番
まっ、勝負にならんよね…。
4勝4敗(19位)
●その後…
鶴岡先生にお願いして本にサインをして頂きました(感激)。
●2日目(11/2)
予想通り体調を崩してダウン…。ニコ生観戦に終始
●3日目(11/3)
打ち上げだけ出ようと思っていたが、
体調が思いの外良かったので決勝開始に合わせて会場へ
会場について少ししたら例の逆転が起きていてビックリ。
ほんと、これだけ強くなってもまだ先があるのね。
あと、AWAKE強過ぎ。でも予選7位って事は上位8ソフトぐらいは
もう途方もない世界にいるんだろうね。
私も持病が落ち着いていればもう1回出ようと考えていますが
今回以上の成績を残すのは難しいかなと…。
絶対的に強くなる事は可能でも相対的に強くなるのはちょっと無理っぽい…。
●打ち上げ
立ち飲みのバイキング形式で久々にビールを飲みましたが美味しかったです。
たしか遠山先生が話していた気がするのですが、
初日、2日目負けたチームもいっぱい参加していてそれが嬉しかったです。
山本一成さんとも少し話せました。
飲む人は本当に飲んでいたのでイベントの打ち上げは
(早く酔いやすい)立ち飲みに限りますね。
イケメンの運営さんにお願いしたらパネルを貰えることになりました。
そんな訳で結論
ちょっとでも興味を持った専門学校生、大学生は是非チャレンジして欲しい。
時間は必要だし苦労することも多いけど見返りは何倍もあります。
番組でもお話しましたが、ぜひ新規の方にも将棋ソフトを作ってご参加いただきたいです。今回も最短では2ヶ月の開発期間で参加された方もいらっしゃいました。そういう方が増えてこそ、この電王トーナメントの価値は上がると思います。
— 遠山雄亮 (@funnytoyama) 2014, 11月 1
大切な事なので(略)
本当にありがとうございました。